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こんにちは!
投資成績がマイナスに転じそうな
『ここ屋』よ!
インフレ懸念からはじまった米国市場の混乱は、原油高やウクライナ情勢によりさらなる下落が続いています。
S&P500は高値から▲10%以上の下落をしたことから、正式に『調整局面入り』したことが話題になっています。
NASDAQ100に関しては、より大きく売られ▲20%以上の下落である『ベアマーケット入り』をしました。
これからFRBによる利上げやQT(バランスシート縮小)が予測されている中、われわれ個人投資家の取るべき道はどこにあるのでしょうか?
そこで今回の記事では、筆者の実際の資産運用を参考にして、2022年14ヶ月間の米国市場の推移と今後の予想を解説していきたいと思います。
また、2021年4月から1月の時点でも記事にしていますので、合わせて参考にしてみて下さい。
【14ヶ月間運用実績公開】米国ETF『VOO・VIG・VONG』
今回、運用実績を公開するのは米国の代表的なETFで、大きく特徴が異なる3銘柄です。
3銘柄の値動きを把握することで、現在の米国市場のトレンドを感じることができると思います。
その3銘柄とはVOO、VIG、VONGです。
これから、この3銘柄の基本的な概要と特徴を把握した上で、実際の運用状況を見て今後の米国市場の予想を解説していきたいと思います。
米国ETF『VOO・VIG・VONG』の概要
米国ETF『VOO・VIG・VONG』の概要(2022.2.24現在)です。
ちなみにこの3銘柄は、実際に筆者本人と家族の2020年度にNISA口座で購入した銘柄です。
ティッカー | VOO | VIG | VONG |
---|---|---|---|
名称 | Vanguard S&P500 ETF | Vanguard Dividend Appreciation ETF | Vanguard ussell1000 Growth |
運用会社 | バンガード | バンガード | バンガード |
設立日 | 2010/09/09 | 2006/04/27 | 2010/09/22 |
ベンチマーク | S&P500 指数 | ナスダック 米国ディビデンド アチーバーズ セレクト指数 | ラッセル1000 グロース インデックス |
純資産総額 | $266.294B | $62.470B | $7.056B |
経費率 | 0.03% | 0.06% | 0.08% |
配当利回り | 1.58% | 2.00% | 0.77% |
株価の下落の影響で、3銘柄とも配当利回りが上昇しています。
VOO・VIG・VONGのベンチマークと特徴
それぞれのベンチマークと特徴を、簡単に解説していきます。
ベンチマークは【S&P500】
米国の株式市場に上場している大型株500銘柄の時価総額加重平均指数。
およそ500銘柄で、時価総額は米国に上場している約4,000株の8割を占める。
構成銘柄上位は、Apple、Microsoft、Amazon、Tesla、Alphabet(Google)。
米国全体の株価指数と言っても過言ではない。
SPYとIVVは同じS&P500がベンチマーク。
実際に米国株式全体をベンチマークとするVTIとは、ほぼ同等の値動きをする。
VTIについて詳しくはこちらの記事
ベーシックかつ
世界最高峰のベンチマークよ!
ベンチマークは【ナスダック米国ディビデンド・アチーバーズ・セレクト指数】
10年以上連続増配実績を持つ銘柄で構成される。(REITは除く)
連続増配株を集めているわりに、近年の分配金率は低くVOOとそれほど変わらない。
増配株を集めているだけあって、比較的大型バリュー株が中心。
比較的ディフェンシブ銘柄が多め。
NASDAQと名前についているが、NASDAQ市場に限った銘柄ではない。
構成銘柄上位は、Home Depot、JPMorgan、J&J、P&G、Microsoft、Walmart、VISA
地味やけど底堅い
バリュー株寄りのETFやな
ベンチマークは【ラッセル1000グロース・インデックス】
ラッセル1000(大型株)のうちのグロース株で構成される。
グロース銘柄中心のため、上昇相場ではリターンはS&P500を凌ぐ。
景気敏感株を多く含むので、下落局面ではディフェンス力は低め。
構成銘柄上位は、Apple、Microsoft、Amazon、tesla、NVIDIA
個人投資家が好きそうな
グロース株ETFよ!
VOO・VIG・VONGの過去リターン
前項の特徴を踏まえた上で、過去リターンを見ていきましょう。
まずは、Bloombergから引用したリターン率です。
リターン | VOO | VIG | VONG |
---|---|---|---|
年初来 | -11.17% | -10.13% | -13.53% |
1年 | 12.54% | 12.64% | 5.61% |
3年 | 17.45% | 14.88% | 22.68% |
5年 | 14.76% | 13.76% | 19.92% |
3銘柄とも年初来はマイナスリターンですが、グロース株を多く含むVONGがもっとも大きく下落しています。
一方で、バリュー株を多く含むVIGは比較的マイルドな値動きですね。
そしてついに、1年リターンにおいてはVIGのパフォーマンスがVOOをアウトパフォームしました。
完全なる『バリュー優勢市場』であることの表われですね。
VOO・VIG・VONGの運用実績【14ヶ月間】
筆者本人と奥さんの2020年度のNISA口座、娘のジュニアNISA口座での運用実績です。
それぞれ、2020年の12月中旬から下旬の購入ですので、実質14ヶ月間程度の運用利回りとなります。
この間、分配金も出ていますが、ETFは分配金自動再投資ができないので、キャピタルゲインのみの実績です。
VOO運用実績(14ヶ月間)
14ヶ月間の運用実績は、なんとかプラスを維持しています。
ドルベースで+14.23%、円ベースで+24.69%の上昇でした。
先月比ではドルベース▼3.17%の下落です。
ドル高の恩恵で円ベースの
含み益で助かっとる
為替リスクはプラスにも働くのよ!
VIG運用実績(14ヶ月間)
14ヶ月間での運用実績はドルベースで+10.25%、円ベースで+22.11%の上昇でした。
先月比ではドルベースで▼2.88%の下落です。
小幅と言えどもバリューも下落や
VONG運用実績(14ヶ月間)
14ヶ月間での運用実績は、ドルベースで+8.19%、円ベースで+18.10%の上昇でした。
先月比ではドルベースで▼4.21%の下落です。
3銘柄の中ではもっとも
下落幅が大きかったわ!
為替によるリターン
円ベースでのリターンが大きいのは、2020年の年末が円高だったため円安傾向に進む現在は、為替リターンも受け取ることができます。
こちらの日本円表示は、購入時の為替に手数料を加えた単価(日本円)が反映されています。
しかし、実際には事前に『お得なドル転方法』でドル転していますので、もう少しリターンは大きいはずです。
SBI証券は米国ETFの定期買付ができ米国株の取扱数も豊富ですので、米国株投資をはじめる人におすすめなネット証券です。
VOO・VIG・VONGのリターン推移
VOO・VIG・VONGのリターン推移を見てみます。
筆者がこちらの3銘柄の比較記事を書いたのが、2021年4月(4ヶ月間実績)からですので、直近11ヶ月の比較となります。
リターン (ドルベース) | VOO | VIG | VONG |
---|---|---|---|
4ヶ月(4月末) | 12.44% | 8.82% | 10.47% |
5ヶ月(5月末) | 12.36% | 10.40% | 7.10% |
6ヶ月(6月末) | 15.48% | 9.32% | 14.42% |
7ヵ月(7月末) | 19.11% | 13.86% | 20.87% |
8ヶ月(8月末) | 21.54% | 15.89% | 22.39% |
9ヶ月(9月末) | 20.61% | 13.03% | 22.38% |
10ヶ月(10月末) | 22.71% | 17.11% | 23.60% |
11ヶ月(11月末) | 26.86% | 19.75% | 29.23% |
12ヶ月(12月末) | 26.65% | 19.93% | 28.77% |
13ヶ月(1月末) | 17.40% | 13.13% | 12.40% |
14ヶ月(2月末) | 14.23% | 10.25% | 8.19% |
14ヶ月間リターンを眺めると3銘柄とも2021年は大きく上昇しましたが、2022年に入り調整局面を迎えていることがわかります。
S&P500のVOOは、2021年12月も最高値を更新する場面もありましたが、2022年は厳しいスタートとなりました。
バリュー株中心のVIGは、3銘柄の中では下落に関しても最も小幅でした。
2021年は好調だったグロース株のVONGでしたが、高値から▲20%以上の下落をしています。
上昇相場に強く下落相場に弱いグロース株のリスクの大きさが浮き彫りになりました。
VOO・VIG・VONGの値動きに見える米国市場の見通し
VOO・VIG・VONGの値動きに注視することで、今後の米国市場の予想をしていきます。
VOOを市場全体の平均と考えるであれば、VONGはオフェンシブ銘柄(ハイリスク・ハイリターン)、VIGはディフェンシブ銘柄(ローリスク・ローリターン)と捉えることができます。
そして、その特徴がもたらす相関性は以下のようになります。
・米国市場全体が金融相場の時は、VONG(グロース株)がもっともリターン率がいい。
・業績相場がはじまると、VIG(バリュー株)がもっともリターン率がいい。
・市場平均のVOOは常に値動きが安定している
当たり前な理論で単純な相関性ですが、過去実績がハッキリと物語っています。
過去チャートでそれを確認し、2022年の見通しを予想してみましょう。
VOO・VIG・VONGのチャート比較
VOO・VIG・VONGのチャートを比較することで、これまでの上昇相場と直近のグロース株の成長度合いを確認してみましょう。
こちらが、直近1年のチャート比較です。
グロースETFのVONG(青)はボラティリティが高く、今回の下落ももっとも影響を受けています。
直近1年ではVOO(赤)のパフォーマンスがもっとも良いのですが、2021年5月の水準まで下落しています。
バリュー株中心のVIG(緑)はマイルドな値動きがゆえに、下落幅が小さいといったメリットがありますが同様に下落をしています。
今後も利上げやバランスシートの縮小が予定されているので、グロース中心のVONGは軟調が予想されています。
まだまだこれからも下落しそうやな
どこまで下落するのかは推測不可能よ!
次に、直近1ヶ月のチャート比較です。
1月末の下落から一旦は持ち直そうとしたのですが、ウクライナ情勢の不安から一段安に向かっています。
3銘柄とも同様の値動きね!
年初来リターンの推移による今後の米国市場予想
2022年の市場が開始してから2ヶ月ほど経過しましたが、今後の相場を予想をしてみます。
独断と偏見だから
参考程度にしとくのよ!
2021年まで堅調だったセクターは、エネルギーセクター、情報技術セクターなどで、実際にS&P500のリターンを超える40%~60%もの上昇を見せています。
S&P500銘柄の年初来ヒートマップを見てみます。
下落を示す赤が目立ちますが、エネルギー株は大きく上昇しており、金融株も持ちこたえている方です。
特に大型テック株や半導体銘柄は、2021年に上昇が大きかった分、反発も大きいようです。
S&P500指数が▼11.2%、NASDAQ100指数が▼17.2%もの下落をしている中、銘柄によってはさらなる下落をしています。
決算をミスしたFB(メタプラットフォームズ)やPYPL(ペイパル)、HD(ホームデポ)などは、昨今の下落相場に拍車をかけ株価暴落をしています。
一方で、好決算を出したNVDA(エヌビディア)に関してもPERの高い(割高)な銘柄に関しても売られる傾向にあります。
現在の相場を眺めると、PERが低く(割安株)かつ好決算を出している銘柄が買われているようです。
もちろん、原油高の影響を受けるエネルギー株の上昇は、ウクライナ情勢の不安定が続く限り今後も継続して上昇が見込めます。
個人的に筆者が注目している銘柄をピックアップしておきます。
まあ、個別株は予想するだけ無駄ですのでバリューが強いと思うのなら、バリュー株にまとめて投資できるバリューETFが安心できるかも知れません。
エネルギー株についても個別株のリスクを背負うことなく、セクター全体に投資できるエネルギーETFが安心できますね。
2022年は米国市場は低迷する?
2022年はインフレ懸念による金融引き締めが米国市場に不安の影を落としています。
3月からの利上げ(FFレート引き上げ)が0.25%か0.5%なのかも定かでない中、年内の利上げ回数が7回といった複数回の予想がされています。
QT(バランスシートの縮小)までも予定されている市場では、株式にとって有利に働く材料がありません。
ウクライナ情勢の不安が払しょくされたとしても、米国市場にとって好材料を見つける方が難しいかも知れません。
米国市場の買い時はいつ?
乱高下を続ける米国市場で、買い時を見つけることは容易ではありません。
とはいえ、過去の実績を眺めるとぼんやりとでも『ここで買えていたら儲かったのにな』といった買い時は見えてきます。
買い時と見える局面は、必ずといって良いほど『暴落期』ですね。
人には気持ちがあって、それが邪魔することで投資を失敗に導きます。
かといって、暴落期に株を購入するのは難しいことだとは理解できます。
そんな人のために、こんな言葉があることを紹介します。
強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく
これは米著名投資家ジョン・テンプルトンの言葉で、株式投資の極意を解いた名言です。
現在のような下落相場で悲観に打ちひしがれている時こそ『買い時』となることを教えてくれています。
あなたも2021年末には、大きな含み益による幸福感に包まれていませんでしたか?
そんな時こそ『売り時』だったことを忘れてはいけません。
VOO・VIG・VONG 14ヶ月間運用実績公開:まとめ
VOO・VIG・VONGの 14ヶ月間運用実績を公開して、今後の米国市場の予想を立ててみました。
市場に利上げが織り込まれはじめる中、ロシアによるウクライナ侵略が現実となりました。
相場は一気にリスクオフとなり、ほとんどすべての金融資産は売られる状況です。
原油高によるエネルギー株の上昇もいつまで続くともわからず、燃料費の高騰は株式市場にとっては歓迎される要素ではありません。
1月の相場が弱い年のパフォーマンスは、通年でもマイナスになりやすいといった過去データもありますが、不確実な市場のリターンを拾うのであればコツコツとインデックスを買いますと共に、キャッシュポジションをあげておくことが安心につながりそうです。
投資は自己責任ですので、自分のリスク許容度を理解して、投資を楽しんでください。
最後まで読んでくれてありがとう!
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