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こんにちは!
レバレッジETFも運用している
『ここ屋』よ!
レバレッジETFと聞いて『リスクが大きいからやめた方がいい』と思った投資家のみなさん、正解です。レバレッジETFは通常のETFと比べて値動きが大きく、時には予想もしない大きな暴落に見まわれてしまう恐れがあります。
しかし、リスクの大きさはリターンの大きさと比例し、好調な経済下では凄まじいリターンを叩き出します。
多くの投資家は『レバレッジETF』に対して否定的であり、当ブログの筆者もそこまでおすすめはしません。
ただし、投資スタイルは個人のリスク許容度によるところが大きく、何人も他人のポートフォリオに文句をつけることはできないことも事実です。
何ごとも理解せずして手を出せば思いもよらぬ大ケガをしてしまうかも知れませんが、対象を理解し自分と向き合うことで受け入れることができるかも知れません。
そこで今回の記事では、『レバレッジETFのすすめ』と題して、米国のレバレッジETFについて解説していきたいと思います。
レバレッジETFとは
レバレッジETFとは原指数(S&P500やダウ平均など)の日々の変動率に一定の倍数を乗じて算出されるレバレッジ指数に連動するETFです。
一定の倍数とは代表的には2倍や3倍などがあり、倍数が大きくなるほどリスクも大きく、それに見合ってリターンも大きくなります。
なんだか危険な匂いがするな
どんなレバレッジETFがあるの?
どんなレバレッジETFがあるのか、代表的なものをいくつか紹介していきます。
他にもエネルギー、金鉱株、金融、新興国、国債の価格の3倍に連動するレバレッジETFもあります。
インバース型のレバレッジETFについても少し説明しておきますと、通常のブル型(値上がりを期待する指数)とは逆のベア型(値下がりを期待する指数)のETFで、価格が値下がりすると指数が上昇するといった下落相場で利益を出す商品です。
何の指数に連動してるの?
先ほど例にあげたレバレッジETFが何に連動しているかと、それに対するインバース型のETFを見ていきます。
デイリーS&P500 ブル3倍
(ベア3倍はSPXS)
SPXLについて詳しくはこちら
デイリーNASDAQ100 ブル3倍
(ベア3倍はSQQQ)
TQQQについて詳しくはこちら
残念ながら今のところTQQQは、代表的な日本のネット証券では購入することができません。(2022年11月より購入が可能になりました)
デイリー米国小型株 ブル3倍
(ベア3倍はTZA)
デイリー半導体株 ブル3倍
(ベア3倍はSOXS)
SOXLについて詳しくはこちら
デイリーテクノロジー株 ブル3倍
(ベア3倍はTECS)
TECLについて詳しくはこちら
デイリーヘルスケア株 ブル3倍
(ベア3倍はナシ)
CUREについて詳しくはこちら
デイリーインターネット株 ブル3倍
(ベア3倍はWEBS)
WEBLについて詳しくはこちら
レバレッジETFの概要
それぞれのレバレッジETFの概要について簡単に触れていきます。
ティッカー | SPXL | TQQQ | TNA | SOXL | TECL | CURE | WEBL |
---|---|---|---|---|---|---|---|
運用会社 | Direxion Shares | ProShares Trust | Direxion Shares | Direxion Shares | Direxion Shares | Direxion Shares | Direxion Shares |
設立日 | 2008/11/05 | 2010/02/11 | 2008/11/05 | 2010/03/11 | 2008/12/17 | 2011/06/15 | 2019/11/07 |
純資産額 | 34.61億ドル | 190.91億ドル | 21.00億ドル | 77.31億ドル | 27.13億ドル | 1.99億ドル | 1.79億ドル |
経費率 | 0.88% | 0.88% | 0.91% | 0.72% | 0.89% | 0.92% | 0.95% |
配当金 | 1.18% | 1.83% | 2.36% | 0.89% | 0.45% | 2.08% | ー |
運用会社はほとんどがDirexion SharesのもですがTQQQだけがプロシェアーズですね。
経費は0.88%以上のものが多く近年値下げしたものもあります。普段見ている経費よりは高めに設定されていますが、レバレッジETFの経費はこんなものです。
長期投資には向いていないってことよ!
レバレッジETFの過去リターン
レバレッジETFの過去リターンを確認していきます。
ティッカー | SPXL | TQQQ | TNA | SOXL | TECL | CURE | WEBL |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1年 リターン | 61.43% | 181.26% | 12.41% | 163.37% | 183.83% | -1.01% | 153.30% |
3年 リターン | 11.13% | 1.60% | -21.59% | -6.88% | 15.46% | 9.96% | -39.21% |
5年 リターン | 24.61% | 37.48% | -5.21% | 39.43% | 49.25% | 18.77% | ー |
どれも2022年の急落により大きく値崩れしています。2021年までは年間で3桁リターンも珍しくなかったんですけどね。
大きなリターンの裏には、それだけのリスクが存在するってことを肝に銘じておきましょう。
レバレッジETFと1倍銘柄とのチャート比較
それぞれの3倍レバレッジETFと1倍の銘柄とのチャート比較を見ていきます。
SPXLとS&P500のチャート比較
SPXLとSPYの直近5年のチャート比較です。(2024.1現在)
コロナバブルでは急上昇したSPXLでしたが、2022年の株価急落でプラスリターンを吐き出してしまっています。その後2023年の上昇によって何とか指数をアウトパフォームしていますが、S&P500が+83%上昇しているのに対して、SPXLは+184%と指数をアウトパフォームしています。
TQQQとQQQのチャート比較
次にTQQQとQQQの直近5年の比較チャートです。(2024.1現在)
QQQが+152%なのに対してTQQQは+370%でした。コロナ明けから一時は+900%を超えるリターンを出していましたが、2022年には急落しています。
それでも現在は大きな上昇を見せていますね。
TNAとVTWOのチャート比較
続けてTNAとVTWO(ラッセル2000)の直近5年の比較チャートです。(2024.1現在)
この期間の小型株はパフォーマンスが悪く、VTWOが+37%の上昇しているのに対してTNAは▲28%下落しています。
ただ、これから小型株のターンが来ると思えば、今が良い買い場なのかも知れませんね。
SOXLとSMHのチャート比較
次にSOXLと半導体ETFのSMHの直近5年の比較チャートです。(2024.1現在)
コロナショック明けから株価は+1,500%急騰していましたが、2022年は▲90%の暴落をしました。
その後2023年には上げておりSMH+275%上昇しているのに対して、SOXLは+352%上昇しています。
現在は何とかSMHをアウトパフォームしていますが、またいつ急落するかわかりませんね。
下げたら買いたい銘柄やな
TECLとIXNのチャート比較
続けてテクノロジーETFのTECLとIXNの直近5年の比較チャートです。(2024.1現在)
こちらも2021年の上昇を2022年に吐き出しています。その後2023年の上昇によりIXNが+171%上昇しているのに対してTECLは+595%の上昇をしています。
今回紹介しているレバレッジETFの中でも最も大きなリターンを出しています。
CUREとVTHのチャート比較
次にヘルスケアセクターのCUREとVHTの直近5年の比較チャートです。(2024.1現在)
こちらはVHTが+56%の上昇なのに対して3倍レバレッジETFのCUREは+122%の上昇と指数を大きくアウトパフォームしています。直近2年くらいはパフォーマンスは鈍化していますが、これからヘルスケアには上昇の期待が持てそうです。
WEBLとFDNのチャート比較
最後にインターネットETFのWEBLと指数のFDNとの直近4年強の比較チャートです。(2024.1現在)
設定日から4年半しか経過していませんが、コロナバブルの波に乗って右肩上がりだったチャートも2021年には急落をしています。FDNが+38%上昇しているのに対して、WEBLは▲41%の下落しています。
ただし、2023年からのWEBLはFDNを大きくアウトパフォームしています。
レバレッジETFの注意点
レバレッジETFの注意点についても少し触れておきます。
日次基準価格の値動きが指数の3倍
レバレッジETFの値動きは、通常の1倍銘柄の年次リターンの3倍になっていないことは、先ほどのチャートで確認できたと思います。
これは、レバレッジETFの値動きが『日次基準価格の値動きが指数の3倍』のパフォーマンスだからです。
S&P500とSPXLを例に、4日連続1%の上昇をした時のレバレッジETFの値動きを確認してみましょう。
・S&P500を100ドル購入して4日間連続1%上昇した場合
1%x1%x1%x1%
100(x1.01)→101(X1.01)→102.01(x1.01)→103.03(x1.01)→104.06
・SPXLを100ドル購入して4日間連続S&P500が1%上昇した場合
3%x3%x3%x3%
100(x1.03)→103(x1.03)→106.09(x1.03)→109.27(x1.03)→112.55
S&P500は単純に4%上昇ではなく104.06になりました。一方、SPXLは12%上昇ではなく112.55になっています。
一方で、4日連続1%の下落をした時は、値をマイナスにすることで理解できます。
レバレッジETFは上昇下落を繰り返すBOX相場に弱い
今度はS&P500が+1%の上昇と▲1%の下落を繰り返した場合はどうなるのか見ていきましょう。
・S&P500を100ドル購入して
4日間1%上昇・下落を繰り返した場合
1%x(ー1%)x1%x(ー1%)
100(x1.01)→101(X0.99)→99.99(x1.01)→100.99(x0.99)→99.98
・SPXLを100ドル購入して
4日間連続S&P500が1%上昇・下落を繰り返した場合
3%x(-3%)x3%x(-3%)
100(x1.03)→103(x0.97)→99.91(x1.03)→102.91(x0.97)→99.82
S&P500が99.98に対してSPXLは99.82になりました。
微々たる差に見えるかも知れませんが、たったの4日間でこの差ですから1年365日、3年、5年と続いたらどうでしょう?
レバレッジETFがBOX相場に弱いことが露呈されましたね。
高値掴みしてしまうと回復までに時間がかかる
レバレッジETFはその特性上、下落時には大きく価格を下げてしまいます。そのため、高値掴みしてしまうと株価を回復するまでに長い時間を要します。
例えばSOXLで見てみると、2018年3月に購入した場合など、元の価格に戻るまで2年近くの時間をを要した上に、コロナショックを受けて再び価格を落としています。
このようにボラティリティの高い銘柄は、長期投資には向いていないかも知れませんね。
レバレッジETFは大暴落にはめっぽう弱い
これは言わなくとも理解できると思いますが、ただでさえ大暴落時にはほとんどの銘柄が大きく値を下げるのですから、3倍レバレッジのかかった銘柄であれば加速的な下落をしてしまいます。
SOXLなどコロナショックでは1ヶ月で▲80%もの大暴落をしており、昨年1年でも▲85%も急落しています。
レバレッジETFは投資するに値するか
ここまでレバレッジETFの高いリターンについて解説してきましたが、再三言っているようにリスクの高い商品であることに間違いありません。
多くの投資家がレバレッジETFをすすめていないのは、レバレッジETFのリスクに見合ったリスク許容度の投資家が少ないことがあげられます。
では、レバレッジETFが向いている人と、反対に向いていない人とはどのような人でしょうか?
レバレッジETFが向いている人
レバレッジETFが向いている人は、リスク許容度の大きな人で、特に若者に代表されるように資産を最大限に大きくしたい代わりに大きなリスクを取れる人です。
最悪無くなってしまっても仕方ないくらいに考えられないと、レバレッジETFに投資するのは厳しいでしょう。
元本割れどころか80%の含み損とかに
耐えられる強靭な精神が必要や
レバレッジETFが向いていない人
レバレッジETFが向いていない人は、コツコツと積立て投資などをしていてなるべく元本割れをしたくない人や、すでに今後の収入期間が短く暴落時に致命的な損失を出したくない人などです。
大きな資産を保有している人でそれほど資産を大きくする必要のない人や、年配の投資家などには向いていないと言えるでしょう。
それでも投資したいのなら
それでも投資したいのなら、コア・サテライト戦略のサテライト部分で運用するのが良いと考えます。
サテライトではその割合を抑制した上で、コアの市場平均を上回るパフォーマンスを狙うために、レバレッジETFを活用してもいいかも知れません。
レバレッジETFまとめ
レバレッジETFをまとめていきます。
冒頭でも記述した通り、レバレッジETFは万人にはおすすめしません。
しかし、そのリスクを理解した上で投資する分であれば、大きなパフォーマンスが期待できることは確かです。
投資は自己責任ですので、自分のリスク許容度を理解して投資を楽しんでください。
最後まで読んでくれてありがとう!
レッツ エンジョイ ライフ!
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