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こんにちは!
資産の減少にジッと耐えている
『ここ屋(@Ram Tky)』よ!
2022年に入り続落する米国市場に、落胆している投資家も多いのではないでしょうか?
3月には再び大きな下落が訪れている市場に困惑していても、まだまだ下落要素が多いことに脅威すら覚えます。
インフレ抑制のための金融引き締めは始まったばかりの米国市場ですが、相場には大きな織り込みがされています。
米債券利回りのイールドカーブはフラットニングが進み、米国市場のリセッション入りが懸念されています。
これからFRBによる利上げの加速やQT(バランスシート縮小)が予測されている中、われわれ個人投資家のとるべき道はどこにあるのでしょうか?
そこで今回の記事では、筆者の実際の資産運用を参考にして、2022年16ヶ月間の米国市場の推移と今後の予想を解説していきたいと思います。
【16ヶ月間運用実績公開】米国ETF『VOO・VIG・VONG』
今回、運用実績を公開するのは米国の代表的なETFで、大きく特徴が異なる3銘柄です。
3銘柄の値動きを把握することで、現在の米国市場のトレンドを感じることができると思います。
その3銘柄とはVOO、VIG、VONGです。
これから、この3銘柄の基本的な概要と特徴を把握した上で、実際の運用状況を見て今後の米国市場の予想を解説していきたいと思います。
米国ETF『VOO・VIG・VONG』の概要
米国ETF『VOO・VIG・VONG』の概要(2022.4.27現在)です。
ちなみにこの3銘柄は、実際に筆者本人と家族の2020年度にNISA口座で購入した銘柄です。
ティッカー | VOO | VIG | VONG |
---|---|---|---|
名称 | Vanguard S&P500 ETF | Vanguard Dividend Appreciation ETF | Vanguard ussell1000 Growth |
運用会社 | バンガード | バンガード | バンガード |
設立日 | 2010/09/09 | 2006/04/27 | 2010/09/22 |
ベンチマーク | S&P500 指数 | ナスダック 米国ディビデンド アチーバーズ セレクト指数 | ラッセル1000 グロース インデックス |
純資産総額 | $258.712B | $63.795B | $6.869B |
経費率 | 0.03% | 0.06% | 0.08% |
配当利回り | 1.44% | 1.79% | 0.73% |
直近の株価下落により、3銘柄とも時価総額が減少しています。
VOOは先月比$30Bも時価総額が減少しとる
VOO・VIG・VONGのベンチマークと特徴
それぞれのベンチマークと特徴を、簡単に解説していきます。
ベンチマークは【S&P500】
米国の株式市場に上場している大型株500銘柄の時価総額加重平均指数。
およそ500銘柄で、時価総額は米国に上場している約4,000株の8割を占める。
構成銘柄上位は、Apple、Microsoft、Amazon、Tesla、Alphabet(Google)。
米国全体の株価指数と言っても過言ではない。
SPYとIVVは同じS&P500がベンチマーク。
実際に米国株式全体をベンチマークとするVTIとは、ほぼ同等の値動きをする。
VTIについて詳しくはこちらの記事
ベーシックかつ
世界最高峰のベンチマークよ!
ベンチマークは【ナスダック米国ディビデンド・アチーバーズ・セレクト指数】
10年以上連続増配実績を持つ銘柄で構成される。(REITは除く)
連続増配株を集めているわりに、近年の分配金率は低くVOOとそれほど変わらない。
増配株を集めているだけあって、比較的大型バリュー株が中心。
比較的ディフェンシブ銘柄が多め。
NASDAQと名前についているが、NASDAQ市場に限った銘柄ではない。
構成銘柄上位は、Home Depot、JPMorgan、J&J、P&G、Microsoft、Walmart、VISA
地味やけど底堅い
バリュー株寄りのETFやな
ベンチマークは【ラッセル1000グロース・インデックス】
ラッセル1000(大型株)のうちのグロース株で構成される。
グロース銘柄中心のため、上昇相場ではリターンはS&P500を凌ぐ。
景気敏感株を多く含むので、下落局面ではディフェンス力は低め。
構成銘柄上位は、Apple、Microsoft、Amazon、tesla、NVIDIA
個人投資家が好きそうな
グロース株ETFよ!
VOO・VIG・VONGの過去リターン
前項の特徴を踏まえた上で、過去リターンを見ていきましょう。
まずは、Bloombergから引用したリターン率です。
リターン | VOO | VIG | VONG |
---|---|---|---|
年初来 | -12.09% | -9.33% | -19.45% |
1年 | 4.22% | 5.30% | -1.57% |
3年 | 15.53% | 14.18% | 18.47% |
5年 | 14.46% | 13.73% | 18.34% |
3銘柄とも年初来はマイナスリターンですが、グロース株を多く含むVONGは1年リターンすらマイナスになってしまいました。
そして、ついにVOOのパフォーマンスがVIGに劣後するといった現象が起きています。
1年リターンで見ても、VIGのリターンがもっとも良いところを見ると、完全にバリュー優位の相場展開になっていることがわかります。
トレンド転換でバリューのターンが続きそうやな
VOO・VIG・VONGの運用実績【16ヶ月間】
筆者本人と奥さんの2020年度のNISA口座、娘のジュニアNISA口座での運用実績です。
それぞれ、2020年の12月中旬から下旬の購入ですので、実質16ヶ月間程度の運用利回りとなります。
この間、分配金も出ていますが、ETFは分配金自動再投資ができないので、キャピタルゲインのみの実績です。
VOO運用実績(16ヶ月間)
16ヶ月間の運用実績は、なんとかプラスを維持しています。
ドルベースで+12.68%、円ベースで+36.59%の上昇でした。
先月比ではドルベースで▲9.89%の下落でした。
ドル高の恩恵で円ベースは
大きな含み益で助かっとる
為替リスクはプラスにも働くのよ!
VIG運用実績(16ヶ月間)
16ヶ月間での運用実績はドルベースで+10.74%、円ベースで+36.21%の上昇でした。
先月比ではドルベースで▲5.04%の下落でした。
小幅と言えどもバリューも下落や
配当が1.8%程度あるのも助かるわね!
VONG運用実績(16ヶ月間)
16ヶ月間での運用実績は、ドルベースで+4.53%、円ベースで+26.72%の上昇でした。
先月比ではドルベースで▲12.85%の下落でした。
3銘柄の中ではもっとも
下落幅が大きかったわ!
含み益もなくなりそうや
為替によるリターン
円ベースでのリターンが大きいのは、2020年の年末が円高だったため円安傾向に進む現在は、為替リターンも受け取ることができます。
こちらの日本円表示は、購入時の為替に手数料を加えた単価(日本円)が反映されています。
しかし、実際には事前に『お得なドル転方法』でドル転していますので、もう少しリターンは大きいはずです。
SBI証券は米国ETFの定期買付ができ米国株の取扱数も豊富ですので、米国株投資をはじめる人におすすめなネット証券です。
VOO・VIG・VONGのリターン推移
VOO・VIG・VONGのリターン推移を見てみます。
筆者がこちらの3銘柄の比較記事を書いたのが、2021年4月(4ヶ月間実績)からですので、直近13ヶ月の比較となります。
リターン (ドルベース) | VOO | VIG | VONG |
---|---|---|---|
4ヶ月(4月末) | 12.44% | 8.82% | 10.47% |
5ヶ月(5月末) | 12.36% | 10.40% | 7.10% |
6ヶ月(6月末) | 15.48% | 9.32% | 14.42% |
7ヵ月(7月末) | 19.11% | 13.86% | 20.87% |
8ヶ月(8月末) | 21.54% | 15.89% | 22.39% |
9ヶ月(9月末) | 20.61% | 13.03% | 22.38% |
10ヶ月(10月末) | 22.71% | 17.11% | 23.60% |
11ヶ月(11月末) | 26.86% | 19.75% | 29.23% |
12ヶ月(12月末) | 26.65% | 19.93% | 28.77% |
13ヶ月(1月末) | 17.40% | 13.13% | 12.40% |
14ヶ月(2月末) | 14.23% | 10.25% | 8.19% |
15ヶ月(3月末) | 22.57% | 15.78% | 17.38% |
16ヶ月(4月末) | 12.68% | 10.74% | 4.53% |
16ヶ月間リターンを眺めると3銘柄とも2021年は大きく上昇しましたが、2022年に入り調整局面を迎えていることがわかります。
S&P500のVOOは、2021年12月の高値から13%以上下落している状況ですが、ほぼ1年前のリターン同様にまで減少しています。
バリュー株中心のVIGは、3銘柄の中ではもっとも小さい下落でしたが、こちらも1年前のリターンに逆戻りです。
2021年は好調だったグロース株のVONGでしたが、NASDAQ同様に高値から▲20%以上の下落(ベアマーケット入り)となっており、すっかり含み益もなくなってしまいそうです。
VOO・VIG・VONGの値動きに見える米国市場の見通し
VOO・VIG・VONGの値動きに注視することで、今後の米国市場の予想をしていきます。
VOOを市場全体の平均と考えるであれば、VONGはオフェンシブ銘柄(ハイリスク・ハイリターン)、VIGはディフェンシブ銘柄(ローリスク・ローリターン)と捉えることができます。
そして、その特徴がもたらす相関性は以下のようになります。
・米国市場全体が金融相場の時は、VONG(グロース株)がもっともリターン率がいい。
・業績相場がはじまると、VIG(バリュー株)がもっともリターン率がいい。
・市場平均のVOOは常に値動きが安定している
当たり前な理論で単純な相関性ですが、過去実績がハッキリと物語っています。
過去チャートでそれを確認し、2022年の見通しを予想してみましょう。
VOO・VIG・VONGのチャート比較
VOO・VIG・VONGのチャートを比較することで、これまでの上昇相場と直近のグロース株の成長度合いを確認してみましょう。
こちらが、直近1年のチャート比較です。
3指数とも同様の値動きを見せてはいるものの、グロースETFのVONG(青)はボラティリティが高く、下落も大きい反面で上昇も大きいことがわかります。
直近1年では安定したパフォーマンスを見せてきたVOO(赤)のでしたが、年初来で見ても▲10%以上の下落で調整局面を迎えてしまいました。
バリュー株中心のVIG(緑)はマイルドな値動きがゆえに、下落幅が小さいといったメリットがありますが、相場の反発を狙えるといった銘柄ではありません。
今後も急速な利上げやQT(バランスシートの縮小)が予想されているので、グロース中心のVONGは軟調な値動きとなりそうです。
どこまで下落相場は続くんや
不確実性が高すぎて読めない相場ね!
次に、年初来のチャート比較です。
VOO(▲12.4%)は3月に着けた年初来安値にタッチしていますが、下に抜けてしまうと昨年5月に付けた$372を目指す展開となりそうです。
VIG(▲7.8%)も50日移動平均線を割り込む悪いチャートをしていますが、$153付近にサポートラインが控えています。
もっともパフォーマンスが悪いVONG(▲16.4%)ですが、今年3月の安値を割り込んでしまいました。
3指数ともに目先は下を向いているようですが、来週に控えたFOMCで反転してくれることを期待しましょう。
グロース株は特に油断できない相場が続くの!
年初来リターンの推移による今後の米国市場予想
2022年の市場が開始してから早くも4ヶ月ほど経過しましたが、今後の相場を予想をしてみます。
独断と偏見だから
参考程度にしとくのよ!
2022年の米国市場は、エネルギーセクターの高騰により幕を開けましたが、すでにその上昇にも陰りを落としています。
反面、高インフレや下落相場に強いディフェンシブセクターが頭角を現しており、生活必需品やヘルスケアの上昇が目立ってきました。
全部高は期待できない米国市場ですが、S&P500銘柄の年初来ヒートマップを見てみます。
ハイテク株や半導体銘柄は下落を示す赤が目立ちますが、エネルギー株や素材銘柄、公益事業の上昇に交じり、ヘルスケア銘柄や生活必需品銘柄に上昇株が散見し始めました。
S&P500指数が▲12%下落をしている中で、銘柄によってはプラスのパフォーマンスを出しています。
全体的に上昇しているエネルギーセクターや時価総額の小さい銘柄を除いていますが、これら銘柄に共通しているのは、人々の生活に必要とされていることです。
それやったらハイテクも半導体も
人々に必要とされとるで
ここで必要と言っているのは『インフレで値段が高くなってもすぐに必要なモノ』です。
パソコンやソフトウェア、自動車や機械などすぐに必要とされないものではなく、薬や日用品、燃料などは多少高くなったと言えども購入を控えることはできません。
特に医療に関しては、インフレが起きようがリセッションに入ろうが、人々が生活するうえで欠かせない産業であるため、現在のような相場でも堅調な株価を確保することができると考えられます。
特に、個人的に筆者が注目している銘柄をピックアップしておきます。
(それぞれの解説記事のリンクを貼っておきます)
現在は、強い利上げ観測により相場全体が下落している状況ですが、今後は実績を出せている企業に注目する必要があります。
とはいえ、個別株は予想するのが難しいと思うなら、バリュー株にまとめて投資できるバリューETFが安心できるかも知れません。
VOO・VIG・VONG 16ヶ月間運用実績公開:まとめ
VOO・VIG・VONGの 16ヶ月間運用実績を公開して、今後の米国市場の予想を立ててみました。
すでに利上げを織り込み済みだと考えられてきた米国市場ですが、ここにきて更なる利上げ観測に相場は嫌気を指しているようです。
未だに『米経済は強い』と言われているようですが、消費者の購買意欲は低下しGDP成長率も下方修正されています。
大型株の決算発表が続く中で、来週にはFOMCが控えているといった厳しい状況が続きます。
とはいえ、不確実な市場のリターンを拾うのであればコツコツとインデックスを買いますと共に、キャッシュポジションをあげておくことが安心につながりそうです。
投資は自己責任ですので、自分のリスク許容度を理解して、投資を楽しんでください。
最後まで読んでくれてありがとう!
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